“鎚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つち85.3%
ハンマー2.9%
かすがひ2.9%
かなづち2.9%
つい2.9%
づち2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たちまち姿すがたは見えずなって、四五けん先の鍛冶屋かじやつちの音ばかりトンケンコン、トンケンコンと残る。亭主はちょっと考えしが
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その代りに彼の手は、腰のバンドを探って、そこに挟んであった金槌かなづちのような物を握りしめていた。それはトム公の職業用のカンカンハンマーである。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
納屋の二階はガラクタの入れ場で、手摺と言つたところで頑丈一方の丸木をかすがひで締めた、形ばかりの物、其の角になつたところへ屑金物の箱を載せれば、如何にも紐一本で落せないこともありません。
…鍛冶屋からかなづちで鉄板を打つ耳を掻きむしる様な音が聞え、鎔鉱炉からは赤く火影が差し、煤が渦を巻いて立昇って居た。
大衆文芸作法 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
彼はよく六十斤にあまる大刀を使い、千里の征馬に乗ってもなお鉄胎てったいの強弓をひき、身には二箇の流星ついを秘し持って、一放すればいかなる豪敵も倒し、ももたび発してももたびはずすことがありません。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ネジ廻しかね」向うづちを振上げた男は迂散うさんそうな顔をして、森君を見ながら、「明日の朝出来ますだよ」
贋紙幣事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)