“鍋底”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なべぞこ75.0%
なべそこ25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
浅い鍋底なべぞこのような形をしたフェルトをすぽりと坊主頭へ頭巾ずきんのようにかぶるのが、彼に大した満足を与えた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
大根のチリ鍋は、とっくに煮詰って、鍋底なべぞこは潮干の潟にあくたが残っているようである。台所へ出てみると、酒屋の小僧が届けたと見え、ビールが数本届いていた。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
しかし今前足を見ると、いや、——前足ばかりではありません。胸も、腹も、後足あとあしも、すらりと上品にびた尻尾しっぽも、みんな鍋底なべそこのようにまっ黒なのです。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)