れん)” の例文
先頭の大将は、と見れば、虎鬚とらひげさかさまに立ち、目は百れんの鏡にしゅをそそいだごとく、その叫ぶ声は雷にも似て一丈八尺の大矛をふり廻し
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
実に百れんの武者でも、歯の根がわななき、眼はつりあがり、平常のことばでいえば、総毛だつばかり誰もこわいのであった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
怖るべき試合だ、木剣とは云え真剣に等しい——と思わず百れん鉄ほど鍛えた肌に毛の根をよだたせたのであった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見ると、真ッ青なんだ、その顔がよ。——口は耳まで裂けているし、眼は百れんの鏡というやつ、おまけにかぶっていたぬのの下に、きッと二本の角のようなものが……
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おのれっ」と、きばを咬み、一躍して、曹操を突き殺そうとしたが、その側に、朱面虎髯こぜん、光は百れんの鏡にも似た眼を、じっとこちらへ向けている武将が身構えていて油断もない。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところが、さすがに曹操は、百れん総帥そうすいだけあって
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)