鈴木すずき)” の例文
ただの宿屋には泊られないから、江戸に這入はいったらば堀留ほりどめ鈴木すずきと云う船宿に清水が先へいっまって居るから其処そこへ来いと云う約束がしてある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
明治十一年のこと、当時私は廿五にじゅうご歳の青年であったが、東京とうきょうへ上京して四年後で、しば花園橋はなぞのばしぐ近所の鈴木すずき某氏の門弟であった頃だ。
死神 (新字新仮名) / 岡崎雪声(著)
あちらを、鈴木すずきくんが、おかあさんとあるいているのが、にはいりました。かれは、去年きょねんまで、おなじ学校がっこうにいて、わたくしと同級生どうきゅうせいだったのです。
どこかで呼ぶような (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、その日の夕方、その日の示威運動をリードした鈴木すずき君が、はだしで引っぱって来られたんだ。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
鈴木すずき君の円板の割れ目などもむしろこの放射型に属するものであったが、このいわゆる放射縞の現象の中で、最も顕著で古くから知られているものの一つは、放電のリヒテンベルグ形像である。
自然界の縞模様 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
友人としては私のいわゆる隣国の王と称する(それは童話国の王だからだ。)「赤い鳥」の鈴木すずき三重吉みえきちが、それこそ上機嫌でぴちぴちして、「ええのう、ええのう。」で意気があがったすえには
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
九段の鈴木すずきらししうちの一枚はここにかけたるこの写真ならずや。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
新橋しんばし金春こんぱる屋敷に住んだ屋根ふきで、屋根屋三右衛門が通称である。もとしばの料理店鈴木すずきせがれ定次郎さだじろうで、屋根屋へは養子に来た。わかい時狂歌を作って網破損針金あみのはそんはりがねといっていたのが、後博渉はくしょうを以て聞えた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
鈴木すずき小父おじさん! 早くお店に来てください!」
宝石の序曲 (新字新仮名) / 松本泰(著)
受持ちは鈴木すずきという女教員だった。
錯覚の拷問室 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
かれいえがひっこすので、転校てんこうしなければならぬといって、みんなにわかれをつげました。その、わたくしは、ときどき、鈴木すずきくんのことをおもいだしたが、いま、そのすがたをるのです。
どこかで呼ぶような (新字新仮名) / 小川未明(著)