野辺地のへぢ)” の例文
いや、笑事わらひごとではない。しばらくして——ひがしうみかぎり、きた野辺地のへぢいたるまで、東西とうざい南北なんぼく十三周囲しうゐ十六
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
九月の末、にはかに思ひ立ちて、吟心愁を蔵して一人北海に遊びぬ。みちすがら、下河原沼しもかはらぬまの暁風、野辺地のへぢの浦の汐風、浜茄子はまなすの香など、皆この古帽に沁みて名残をとゞめぬ。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)