ひが)” の例文
段段先方むかうでは憎しみを増し、此方ではひがみが募る。意地を張つても、悲しいことには、彼女の一家は人のなさけと憐みとできなければならない。
夜烏 (新字旧仮名) / 平出修(著)
眼蓋をあけて居るのが大儀にも思はれたが、人がどんな目付をして自分を見てゐるであらうかと云ふひがみが先になつて、彼は四辺あたりに注意を配ることを怠ることが出来なかつた。
逆徒 (新字旧仮名) / 平出修(著)