邪推じやすゐ)” の例文
それをさまたげる彌八を邪推じやすゐに狂つたお富は一と突きに殺した上、物置に火をつけて、何處ともなく逃げうせてしまひました。
れほどの物好ものずきなれば手出てだしを仕樣しやうぞ、邪推じやすゐ大底たいていにしていてれ、あのことならば清淨しようじよう無垢むく潔白けつぱくものだと微笑びようふくんで口髭くちひげひねらせたまふ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
蒼黒い顏をしたみにくい女で、その醜さを意識して居るだけに、邪推じやすゐ深くて氣が變りやすくて、そのくせ涙もろくて、誰にでも自分を訴へずには居られないと言つたタイプの女です。