適例てきれい)” の例文
大正十一年たいしようじゆういちねん四月二十六日しがつにじゆうろくにち浦賀海峽地震うらがかいきようぢしんいためられたまるうちびるぢんぐ、大正十二年たいしようじゆうにねん關東大地震かんとうだいぢしんによつてこしられた東京會館とうきようかいかんなどがその適例てきれいであらう。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
これは丁度その適例てきれいだった。堀尾君は今更拝趨はいすう面皮めんぴ無之候これなくそろと書いて恐惶頓首きょうこうとんしゅまことに申訳ない次第だった。
負けない男 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
二ではうたいの「善知鳥うとう」など、三では「阿漕あこぎ」、「鵜飼うがひ」などその適例てきれいである。幽靈ゆうれいがいして全體ぜんたい性質せいしつ陰氣いんきで、すごいものである。相貌さうぼうなども人間にんげん大差たいさはない。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
三千代の場合は、即ち其適例てきれいであつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
普通ふつう住宅じゆうたくならば椅子いす衣類いるい充滿じゆうまんした箪笥たんす火鉢ひばち碁盤ごばん將棊盤しようぎばんなど、すべ堅牢けんろう家具かぐならばせるにてきしてゐる。これ適例てきれい大地震だいぢしん度毎たびごとにいくらも見出みいだされる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
東洋民族とうやうみんぞくがいして苗字めうじさきにしあとにするの風習ふうしふである。支那人しなじんはその適例てきれいである。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)