過去こしかた)” の例文
我はアルナルドなり、泣きまた歌ひてゆく、われ過去こしかたをみてわがおろかなりしを悲しみ、行末ゆくすゑをみてわが望む日の來るを喜ぶ 一四二—一四四
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
どこまでも自分じぶん過去こしかたをおわすれなく、『自分じぶん他人ひとさまのように立派りっぱところへはられない。』とっしゃって、神様かみさまにおねがいして、わざとちいさな岩窟いわやのようなところこもって
胸は乱れ、かしらは次第に熱して、縦横に飛びかう思いはおさのごとく過去こしかたを一目に織りいだしつ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
眠られぬままに過去こしかた将来ゆくすえを思いめぐらせば回らすほど、尚お気がさえて眼も合わず、これではならぬと気を取直しきびしく両眼を閉じて眠入ねいッたふりをして見ても自らあざむくことも出来ず
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
昨日今日の見識りに、突っ込んだ身上話はしがない沙汰と、伝二郎の方で遠慮してはいたものの、前身その他の過去こしかたの段になると、玄内はあきらかに話題を外らしているようだった。
過去こしかた』や、足高蜘蛛あしだかぐも
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
我見るに、過去こしかた未來ゆくすゑの禍ひをちひさくみえしめんとて、百合フイオルダリーゾの花アラーニアに入り、クリストその代理者の身にてとらはれたまふ 八五—八七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
過去こしかたしるふみの中より消失することなきほどの感謝をば受くるにふさはしきこのすゝめを聞きし時 四九—
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)