退)” の例文
ここに大后、その玉釧を見知りたまひて、御酒の栢を賜はずて、すなはち引き退けて、その夫大楯の連を召し出でて、詔りたまはく
これは「天の壁立つ極み、国の退き立つ限り」とか「青雲のたなびく極み、白雲の向伏す限り」とか、「船艫ふなのへの至り留る極み、馬の爪の至り留る限り」
橋がまへとどろ退くまもしづかなりわが汽車ゆ見る結氷けつぴようのいろ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「どうぞ」と云って身を退らせた。
骸骨島の大冒険 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ここに軍をめて退きましき。かれ大前小前の宿禰、その輕の太子を捕へて、てまゐ出て獻りき。その太子、捕はれて歌よみしたまひしく
かれその御手を取らしむれば、すなはち立氷たちびに取り成し一三、また劒刃つるぎはに取り成しつ。かれここにおそりて退き居り。