赤衣せきい)” の例文
われ今浄土ワルハラに帰る、幻影の盾を要せず。百年の後南方に赤衣せきいの美人あるべし。その歌のこの盾のおもてに触るるとき、汝の児孫盾をいだいて抃舞べんぶするものあらんと。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
赤衣せきいの童子が、そうして山に着いたのは、ちょうどひるめしごろだった。このとき山の象どもは、沙羅樹さらじゅの下のくらがりで、などをやっていたのだが、額をあつめてこれを見た。
オツベルと象 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)