赤倉あかくら)” の例文
赤倉あかくらの野は三里というが、草原を走る自動車の道は一里に足らない。由布院の盆地の斜面にかかると、自動車はエンジンを止めて、ゆるやかに降り始める。
由布院行 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
五浦いづら釣小舟つりおぶねさては赤倉あかくらのいで湯のことを、いかになつかしく思い浮かべたことであろう。
茶の本:01 はしがき (新字新仮名) / 岡倉由三郎(著)
すなわちあれが能登のとの半島、また、うしろに見える山々は、白馬はくば戸隠とがくし妙高みょうこう赤倉あかくら、そして、武田家たけだけしのぎをけずった謙信けんしんの居城春日山かすがやまも、ここよりほど遠からぬ北にあたっておる
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
西に赤倉あかくら高嶺かうれい雲をしのぎ衆山しゆうざんこれにならぶ。