どん)” の例文
この縁談は悪くない、と貧すればどんすの例にもれず少からず心が動いて、その日はお使者に大いに愛嬌あいきょうを振りまき、確答は後日という事にして
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
仏が寺門屋下に鴿はと蛇猪を画いてどんしんを表せよと教え(『根本説一切有部毘奈耶』三四)、その他蛇を瞋恚しんいの標識とせる事多きは、右の擬自殺の体を見たるがその主なる一因だろう
ひんすればどんすという言葉がありますねえ。」青扇はねちねちした調子で言いだした。「まったくだと思いますよ。清貧なんてあるものか。金があったらねえ。」
彼は昔の彼ならず (新字新仮名) / 太宰治(著)