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豺狼
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さいろう
ふりがな文庫
“
豺狼
(
さいろう
)” の例文
レヴューの名題には肉体とか
絢爛
(
けんらん
)
とか誘惑とかいう文字が羅列され、演劇には姦淫、
豺狼
(
さいろう
)
、貪乱といったような文字が選び出されている。
裸体談義
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
独逸
(
ドイツ
)
はその汎独主義の手先に
土耳古
(
トルコ
)
人をまで使役して
豺狼
(
さいろう
)
飽く無きの大欲を遂げんと欲し、
譎詐
(
けっさ
)
百端至らざる無かった。
永久平和の先決問題
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
そんなことでどうしますか。
豺狼
(
さいろう
)
の野心をいだく輩が地にみちているこの時に。——どうか前王のご遺言を奉じて、国政につとめ、外には諸軍勢を
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
百余年この
方
(
かた
)
は坊主一疋もいなくなり、山神形を
易
(
か
)
えあるいは
豺狼
(
さいろう
)
あるいは
猨狖
(
えんゆう
)
となりて行人を驚恐せしむ、故を以て、
空荒
(
くうこう
)
闃
(
げき
)
として僧衆なしとある。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
して、長崎屋は、あの
豺狼
(
さいろう
)
に似た根性を以て、当然、ごく最近、今度はあべこべに広海屋に噛みつくであろう。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
▼ もっと見る
一
山
(
さん
)
の
豺狼
(
さいろう
)
麋鹿
(
びろく
)
畏
(
おそ
)
れ従はぬものとてなかりしかば、虎はますます猛威を
逞
(
たくまし
)
うして、自ら
金眸
(
きんぼう
)
大王と名乗り、
数多
(
あまた
)
の
獣類
(
けもの
)
を眼下に
見下
(
みくだ
)
して、一山
万獣
(
ばんじゅう
)
の君とはなりけり。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
歯糞を飛ばして寄附金を強請するに至っては其の名を忠孝に托すと雖も其心は
豺狼
(
さいろう
)
に
斉
(
ひと
)
し。泥棒もコソコソは罪軽く白刃を閃かすものは罪重し。
偏奇館漫録
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
木鹿王はいつも大象に乗って陣頭に立ち、立つやふしぎな法力を以て、風を起し、
虎豹
(
こひょう
)
、
豺狼
(
さいろう
)
、毒蛇、
悪蝎
(
あっかつ
)
などの
類
(
たぐい
)
を
眷族
(
けんぞく
)
のように従え敵陣へ進む。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
燄牙
(
えんが
)
獅子に食われ死して活きまた食わるる事千百歳、この獅の歯の中に燄火充満し、
噛
(
か
)
めば焼く痛さと熱さの二苦を受くるのだ、この他
豺狼
(
さいろう
)
地獄、銅狗
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
何進の催促を
馬耳東風
(
ばじとうふう
)
に、
豺狼
(
さいろう
)
の眼をかがやかしつつ、ひそかに、
眈々
(
たんたん
)
と洛内の気配をうかがっているのであった。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「彼は、
豺狼
(
さいろう
)
のような男だとよく人はいいます。京師へ豺狼を引入れたら人を喰いちらしはしませんかな」
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
呂布
(
りょふ
)
は元来、
豺狼
(
さいろう
)
のような性質で、武勇こそ立ち
優
(
まさ
)
っていますが、真実の提携はできない人物です。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蕭関の防ぎには、お味方の陳宮や
臧覇
(
ぞうは
)
も向っていますが、多くは泰山の
孫観
(
そんかん
)
とか
呉敦
(
ごとん
)
などの兵です。彼らはもともと山林の
豺狼
(
さいろう
)
、利に遭えば、いつ寝返りを打つかも知れません。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
高廉
(
こうれん
)
の妖法は、ただ宇宙の天色や気象に異変を呼び起すだけでなく、
忽
(
こつ
)
として、炎を大地に生ぜしめ、また
大洪水
(
おおみず
)
を捲きおこし、そうかと思うと、
豺狼
(
さいろう
)
、
豼貅
(
ひきゅう
)
、
虎豹
(
こひょう
)
などの猛獣群を
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
四方
鬱蒼
(
うっそう
)
に囲まれた一城郭にも等しい旧家のたたずまいを眺めただけでは、ここの
主
(
あるじ
)
が、海東郡の野に
潜
(
ひそ
)
む二千余の
豺狼
(
さいろう
)
を飼って、
尾濃
(
びのう
)
の闇を股にかけて働き、戦国の裏道に出没して
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
およしなさい、呂布は天下の勇ですが、半面、
豺狼
(
さいろう
)
のような性情を持っています。もし彼が勢力を持ち直して、
兗州
(
えんしゅう
)
を奪りかえしたら、次には、この冀州を狙って来ないとは限りません。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
李楽
(
りがく
)
、
韓暹
(
かんせん
)
、
胡才
(
こさい
)
の三親分は、評議一決して、山林の
豺狼
(
さいろう
)
千余人を
糾合
(
きゅうごう
)
し
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
豺
漢検1級
部首:⾘
10画
狼
漢検準1級
部首:⽝
10画
“豺狼”で始まる語句
豺狼虎豹
豺狼蛇蝎