しるし)” の例文
新字:
そして私だつてあなたが私を意地惡いぢわるく憎んでることは知つてゝよ。あなたがエドヰン・ヴィア卿のことで先づ私にたくらんだたくらみがいゝしるしだわ。
痩せた、透徹るほど蒼白い、鼻筋の見事に通つた、険のある眼の心持吊つた——左褄とつた昔を忍ばせる細面の小造だけにずうつと若く見えるが、四十を越したしるしは額の小皺に争はれない。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
なげくは愛情まごゝろふかしるしぢゃが、あまりにふかなげくは分別ふんべつたらはぬしるしぢゃ。
私たちは『美しい熱情』のしるし解釋かいしやくした色々のやさしい眼差まなざしと吐息を不意に襲つて驚かしたつけ。そして世間は直ぐに、その發見を喜びましたのね。
痩せた、透徹るほど蒼白い、鼻筋の見事に通つた、險のある眼の心持吊つた——左褄とつた昔を忍ばせる細面の小造りだけにずうつと若く見えるが、四十を越したしるしは額の小皺に爭はれない。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
そしてお前は時たまの贔屓ひいきしるしを嬉しく思つて受けてゐる——立派な家柄の紳士で世間に通じた人が、雇人やとひにん、而も新參者しんざんものに向つて示す眞僞も分らぬしるしを。よくもそんなことが出來たものだ。