見聞みき)” の例文
いや、当時とうじ、海外から日本にきていて、この工事こうじ見聞みききしたクラセとか、フェローのような、宣教師せんきょうしでも、みなしたいて、その高大こうだいをつぶさに本国ほんごくへ通信していた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そんなにねんいりにいはないでも、およそからす勘左衞門かんざゑもんすゞめ忠三郎ちうざぶらうなどより、とりでこのくらゐ、こゑ合致がつちしたものはすくなからう、一度いちどもまだ見聞みききしたおぼえのないものも、こゑけば、すぐわかる……
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かゝらではもどらるゝことかはさるにても此病人このびやうにんのうへにこの生計くらしみぎひだりもおひとつにりかゝるよしさまが御心配ごしんぱいさぞなるべし尋常つねなみならば御兩親ごりやうしん見取みと看護かんごもすべき餘所よそ見聞みきくるしさよとかへなみだむねみてさしのぞかんとする二枚戸にまいど
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
好事ものずきさ、好事ものずきで、変つた話でもあつたら聞かう、不思議なことでもあるなら見ようと思ふばかり、しかしね、其を見聞みきくにつけては、どんな又対手あいてに不心得があつて、危険けんのんでないとも限らぬから
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
と、いぶかられることばかり見聞みききされていた。