袱紗包ふくさづつ)” の例文
ぶんだけは、鰐皮わにがは大分だいぶふくらんだのを、自分じぶん晝夜帶ちうやおびから抽出ひきだして、袱紗包ふくさづつみと一所いつしよ信玄袋しんげんぶくろ差添さしそへて
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「…………」武士は無言で懐中をさぐり袱紗包ふくさづつみを取り出した。それを長者の前へ置き
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
庸三は原稿紙やコムパクトや何かの入った袱紗包ふくさづつみをもたせ、春雨のふるまちを黒塗りの高下駄たかげた穿いて、円タクの流しているところまで、お八重に送らせて行った葉子の断髪にお六ぐししたあだな姿を
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)