“信玄袋”の読み方と例文
読み方割合
しんげんぶくろ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
汽車の中で森成もりなりさんが枕元まくらもと信玄袋しんげんぶくろの口にし込んでくれた大きな野菊の枝は、降りる混雑の際に折れてしまったろう。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
大降おほぶり小降こぶり幾度いくどあめれ、おまけに地震ぢしんにあつた、裾短すそみじか白絣しろがすりあかくなるまで、苦労くらうによれ/\のかたちで、くろ信玄袋しんげんぶくろ緊乎しつかりと、巌丈がんぢやう蝙蝠傘かうもりがさ
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
バスケットも、ちらほら見える。ああ、信玄袋しんげんぶくろというものもこの世にまだ在った。故郷を追われて来たというのか。
座興に非ず (新字新仮名) / 太宰治(著)