うろ)” の例文
とお爺さんは、猿や兎や山鳩に、いちいち上機嫌で挨拶して林の奥に進み、山桜の大木の根もとが広いうろになつてゐるのに潜り込んで
お伽草紙 (新字旧仮名) / 太宰治(著)
それより、ママの古い恋文、飯島の神月の別荘の、暖炉棚のうろに放りこんであるって、書いてあったわね。あなたが心配しているのは、そのことなんでしょう。
あなたも私も (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
嘗てここに人間を愛してみたいと思つたうろ胎内たいない
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
また、榛樹はしばみうろは、りて
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
がくもるうろのなか
薄紗の帳 (旧字旧仮名) / ステファヌ・マラルメ(著)
とお爺さんは、猿や兎や山鳩に、いちいち上機嫌で挨拶して林の奧に進み、山櫻の大木の根もとが廣いうろになつてゐるのに潛り込んで
お伽草紙 (旧字旧仮名) / 太宰治(著)
夕影ゆふかげはいま山あひのうろくぼまで及んだが
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
また榛樹はしばみうろの實は根に落ち鳴りて
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
蝙蝠が、はたはたと木のうろから飛んで出た。お爺さんは、ふと眼をさまし、もう夜になつてゐるので驚き
お伽草紙 (新字旧仮名) / 太宰治(著)
榛實はしばみうろ
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
蝙蝠が、はたはたと木のうろから飛んで出た。お爺さんは、ふと眼をさまし、もう夜になつてゐるので驚き
お伽草紙 (旧字旧仮名) / 太宰治(著)
そらや、うろなる
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
「あるわい。」と、にはかに勢ひづいて、一滴のこさず飲みほして、ほろりと酔ひ、「や、月が出てゐる。春宵一刻、——」などと、つまらぬ事を呟きながら木のうろから這ひ出ると
お伽草紙 (新字旧仮名) / 太宰治(著)
空や、うろなる
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
「あるわい。」と、にはかに勢ひづいて、一滴のこさず飮みほして、ほろりと醉ひ、「や、月が出てゐる。春宵一刻、——」などと、つまらぬ事を呟きながら木のうろから這ひ出ると
お伽草紙 (旧字旧仮名) / 太宰治(著)