“虚妄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きょもう56.5%
いつはり8.7%
きよばう8.7%
うそ4.3%
きよまう4.3%
いつわり4.3%
うつろごころ4.3%
こまう4.3%
こもう4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かくして、お前は心のすみに容易ならぬ矛盾と、不安と、情なさとを感じながら、益〻ますます高く虚妄きょもうなバベルの塔を登りつめて行こうとするのだ。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
綱碇を丈夫にして檜木造りにする上は難風を乗り逃るゝたよりあるべき事古き沖船頭の言ふところ虚妄いつはりならざるべしと考へ定め、九百石と八百石との船を新に造り
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
虚妄きよばうとなすにあらざる以上は太田の行為——すなはちエリスを棄てて帰東するの一事は人物と境遇と行為との関係支離滅裂なるものとはざるからず。
舞姫 (新字旧仮名) / 石橋忍月(著)
「それが、貴方にあるたった一つの障害なのじゃ。歪んだ空想のために、常軌を逸しとるのです。わし虚妄うそ烽火のろしには驚かんて」
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
余国は知らず、常陸から此の解文は出しさうも無いことであつた。少くとも常陸では、将門謀反の由の言を幸ひとして、虚妄きよまうにせよ将門をひておとしいれさうなところである。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
東の出口と西の入口と相隔たること窟の外にてもおよそ一町ほどなれば、窟の中二町余りというも虚妄いつわりにあらじと肯わる。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
躄車くるまなどに乗せてやりましては、世間への見場悪く、……いっそ、道了様を屋敷内へお遷座うつししたらと……庭師に云い付け、同じ形を作らせましたところ、虚妄うつろごころの父、それを同じ道了様と思い
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)