薔薇そうび)” の例文
天真の桜花の、人造の薔薇そうびのといふ譬喩ひゆはかたはらいたし。桜花をのみ無上にありがたがりて、外の花の美を知らぬ人とは、共に美術文学を語りがたし。
人々に答ふ (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
つた薔薇そうびつる欄にからまり、庭苑の高きくさむら、垂れかかる樹枝などと共に、ぎっしりと深き茂陰を成す。
大木の森のような木が深く奥にはあって、田舎いなからしい花垣はながきなどがわざと作られていた。昔の思われる花橘はなたちばな撫子なでしこ薔薇そうび木丹くたになどの草木を植えた中に春秋のものも配してあった。
源氏物語:21 乙女 (新字新仮名) / 紫式部(著)
やがてしおれんの茎にあか/\と咲く薔薇そうびのみ
薔薇そうび色なす指持てるあけの神女のいづる時
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
高き送る薔薇そうびの花よ。11700
夜の薔薇そうび
秋の瞳 (新字旧仮名) / 八木重吉(著)
開きては又散る薔薇そうびの花を眺め
薔薇そうびをこそ詩にも作れ
薔薇そうび
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
黄ばみし芝生に薔薇そうびは落ちて