“葬礼”のいろいろな読み方と例文
旧字:葬禮
読み方割合
とむらい44.4%
おとむらい11.1%
とむらひ11.1%
ともらい11.1%
ともれい11.1%
ともれひ11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なぜか、葬礼とむらいの式につらなったようで、二人とも多く口数も利かなかったが、やがて煙草たばこまないで、小松原はつくばった正吉を顧みて
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「聞かっせえまし、喜太郎様は亡くなりましたよ。前後あとさきへ黒門から葬礼おとむらいが五つ出ました。」
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この安はどんなに落ぶれまして——唯今では葬礼とむらひ人足のやうな隠亡の真似をして世間からは葬儀安とか稲荷安とは云はれましても、之でも
……袖の下には、お位牌いはいを抱いて葬礼ともらい施主せしゅに立ったようで、こう正しく端然しゃんとした処は、る目に、神々しゅうございます。何となく容子ようす四辺あたりを沈めて、陰気だけれど、気高いんでございますよ。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いじゃねえか、おたげえだ。こんな処へ来て何も、向う様だって遠慮はねえ。大家様の隠居殿の葬礼ともれいに立つとってよ、町内が質屋で打附ぶつかったようなものだ。一ツ穴の狐だい。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「死んで了つたものは仕方が無え、明日帰つて、ゆつく葬礼ともれひを出して遣るから、もう帰つて呉れても好い」との無情な言草には、使の者もほとんあきれ返つたとの事だ。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)