落第らくだい)” の例文
といわれるので、長吉ちょうきち落第らくだいしてはならないとおもって、うちかえってからも、その学校がっこうならってきた算術さんじゅつはかならず復習ふくしゅういたしました。
残された日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そんなことうそよ。はなたらして落第らくだいなら、みんな一年生のとき落第したわ。病気かなんかで、たくさん休んだんでしょ」
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
彼は中学を卒業してから、一高いちこうの試験を受けることにした。が、生憎あいにく落第らくだいした。彼があの印刷屋の二階に間借まがりをはじめたのはそれからである。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
おれあ、いまねんだけれど、一ねんのときいっぺんすべっとる(落第らくだいしている)で、としは五ねんとおんなじだ。」
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
とても来月の学年試験には及第きふだいする見込みこみがないと思つてゐたところなので、病気欠席のあとへば、落第らくだいしても母に対して尤至極もつともしごく申訳まをしわけができると思ふからであつた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
感心かんしん道理だうり落第らくだいあそばさないで。」
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「おまえは算術さんじゅつができないから、よく勉強べんきょうしなくちゃいけません。それでないと学年試験がくねんしけんには落第らくだいします。」
残された日 (新字新仮名) / 小川未明(著)