落合おちあ)” の例文
なにがし法學士はふがくし洋行やうかう送別會そうべつくわい芝山内しばさんない紅葉館こうえふくわんひらかれ、くわいさんじたのはの八ごろでもあらうか。其崩そのくづれが七八めい京橋區きやうばしく彌左衞門町やざゑもんちやう同好倶樂部どうかうくらぶ落合おちあつたことがある。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
何方どちらも大した腕ではなく、どちらも命が惜しくてならなかったのですが、妙な意地で両立し難い羽目に陥り、本所相生町あいおいちょうの友人の宅で落合おちあった帰り、何方どちらから誘うともなく
あたかもその立留たちどまりし折から、別なる跫音あしおと、また坂をのぼりてさきのものと落合おちあひたり。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
蝶々てふ/\診断しんだんをしてゐるんだ。大湯おほゆ落合おちあひましやうよ、一あしさきへ……」
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
川はみっつの瀬を一つに、どんよりと落合おちあつて、八葉潟やつばがたの波は、なだらかながら、やっつに打つ……星のうずんだ銀河が流れて漂渺ひょうびょうたる月界にらんとする、あたかかたへ出口のところで、その一陣の風に
光籃 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)