花御堂はなみどう)” の例文
毎年するように、花御堂はなみどうの花をんできて、灌仏会かんぶつえのお支度をしなければならないし、晩には、甘茶も煮ておかなければいけないでしょう
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
四月八日のお釈迦しゃかの誕生の日に、紫雲英げんげと薊とこの花とを以て、花御堂はなみどうの屋根をく習わしもあったから、天竺餅の名はそれから出たのかも知れぬ。
花御堂はなみどう灌仏会かんぶつえ、お釈迦しゃかさまも裸になって、善男善女が浮かれだして、赤い信女がこっそり寺の庫裡くりへ消えて
今年、四月八日、灌仏会かんぶつえに、お向うの遠藤さんと、家内と一所に、麹町こうじまち六丁目、擬宝珠ぎぼうし屋根に桃の影さす、真宝寺の花御堂はなみどうもうでた。寺内に閻魔堂えんまどうがある。遠藤さんが扉を覗いて、袖で拝んで
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
花御堂はなみどう
未刊童謡 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
きょうは灌仏会かんぶつえの四月八日なので、本堂の中には、菩提樹ぼだいじゅの葉で屋根をき、野の草花で柱を埋めた花御堂はなみどうができていた、御堂の中には甘茶をたたえ
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただし竿頭かんとうのさつきの花だけは花御堂はなみどうにあやかったものであって、元はやはり髯籠系統ひげこけいとうのものであったかと推察する。なお後の話の都合上この八日という日取りを御記憶ねがっておく
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
花のいわやの花祭はあまり物遠いとしても、日前国懸両宮往古年中行事ひのくまくにかかすりょうぐうおうこねんじゅうぎょうじにも「四月八日供躑躅つつじをそなう」という例はあるので、自分等はむしろ何故に釈迦誕生に花御堂はなみどうを作り始めたかを考えて見たい位である。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
花御堂はなみどう
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)