“菩提樹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぼだいじゅ63.0%
ぼだいじゆ16.7%
リーパ5.6%
リンデン5.6%
ぼだいず3.7%
リンデンバーム1.9%
ボダイジュ1.9%
マダ1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
棕梠しゅろ、芭蕉、椰子樹やしじゅ檳榔樹びんろうじゅ菩提樹ぼだいじゅが重なり合った中に白い卓子テーブル籐椅子とういすが散在している。東京の中央とは思えない静けさである。
冥土行進曲 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
いや、みづから大凡下だいぼんげの一人としてゐるものである。君はあの菩提樹ぼだいじゆの下に「エトナのエムペドクレス」を論じ合つた二十年前を覚えてゐるであらう。
或旧友へ送る手記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
菩提樹リーパの茂った樹かげに立てたペンキ画の背景の前の椅子で、赤いプラトークをかぶった女が格子縞のスカートの皺をひっぱっている。
その門を凌ぐ一双の菩提樹リンデン。いな、身の薄いひもじさに悶えながらに、ひとがをり、そのひとの後ろのグリィンに、やはり、門を暗くする雨がけぶる。
(新字旧仮名) / 高祖保(著)
白銀しろがね筐柳はこやなぎ菩提樹ぼだいずや、はんや……
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
そんな事を言いながら、グランドピアノの蓋を払って、シューベルトのものを二つ——最初は「菩提樹リンデンバーム」それから「さすらい人ヴァンダラー
焔の中に歌う (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
往々お寺の庭に菩提樹ボダイジュと唱えて植わっている落葉樹があって、幹は立ち枝を張って時に大木となっている。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
小十郎は夏なら菩提樹マダの皮でこさえたけらを着てはむばきをはき生蕃せいばんの使うような山刀とポルトガル伝来というような大きな重い鉄砲をもってたくましい黄いろな犬を
なめとこ山の熊 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)