胃腑いのふ)” の例文
午後七時になるとレストラントのとびら一斉いっせいに開く。誰が決めたか知らない食道しょくどう法律が、この時までフランス人の胃腑いのふに休息を命じている。
異国食餌抄 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それには愛によっての獲得と同じように永く私の衷にあって消え去ることがない。愛はそれによって、不消化な石ころを受け入れた胃腑いのふのような思いをさせられる。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
気持よい空腹を感じながら、心づくしの食卓につくことが楽しみだった以前とはちがって、今のは、単に胃腑いのふが空っぽになった動物のひもじさに過ぎないけれど、とにかく腹はっていた。
(新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
ルクサンブルグ公園にある上院の正門の筋向すじむかいにあって、議場の討論に胃腑いのふからにした上院議員の連中が自動車に乗る面倒もなくけつけることの出来できるレストラン・フォワイヨ
異国食餌抄 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)