“翅(か)” の例文
斯くの如く、其の時代に於ては陸上を走るものも、水中を游ぐものも、空中を翅(か)けるものも悉く蜥蜴類のみで、聊かでも之に匹敵すべき動物は他に無かつたのである。
人類の将来 (新字旧仮名) / 丘浅次郎(著)
空翅(か)ける鳥もたちまち地におち岩間を走る疾魚も須臾(しゅゆ)にして水面に腹を覆すであろう。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ただこの広い野中に、ただ一つ真夜中に点っているこの室の燈火(ともしび)を認めて、さながら大海の中に漂う船が命の光りを見出したように翅(か)けて来たのだ。そして来る間に翼が弱ったのだ。
扉 (新字新仮名) / 小川未明(著)
夜(よる)も晝(ひる)も翅(か)けつづけで七日(か)も十日(か)もかからなければ越(こ)せない大(おほ)きな海(うみ)の上(うへ)をゆくのよ
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
大空を翅(か)ける鳥の翼の力にしては弱っていた。
扉 (新字新仮名) / 小川未明(著)