継母はゝ)” の例文
旧字:繼母
私は小さい時分に継母はゝと芝のはづれの方に居りましたときに、近所におやしろか何かがありまして、そこの後のところで二三人でこれを探して食べたのをかすかに覚えて居ります。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
父も継母はゝも寺へお詣りに行つて居た留守の間に、私は小さな風呂敷包を一つ抱へて、干魚ひうをを積んで加賀の金石かないはまで行く小さな漁舟れふぶねの一隅に身を寄せて、また再び相見あひまみえようとの予想もなく
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
いろ/\の事情があつたので、前以て父としめし合せて置いて、継母はゝの手前はその頃村の青年達の間によく流行はやつた様に、私が全く誰にも秘密に逃げて行つたもののやうにつくろつたのであつた。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)