“紅唇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうしん45.5%
べに27.3%
くち18.2%
くちびる9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「おや、おや、きょうは、どういう風の吹きまわしか、紅唇こうしん、火を吐くの盛観を呈している。いつもの調子でいてくれると、僕も張り合いがあって、うれしいのだが。」
新ハムレット (新字新仮名) / 太宰治(著)
細流こながれある所にいたれば紅唇べに粉面おしろい哥妓げいしや紅裩あかきゆもじかゝげわたる、花姿くわし柳腰りうえう美人等びじんらわらじをはいて水をわたるなどが江戸の目にはいとめづらしくきやうあり。酔客すゐかくぢんくをうたへば酔妓すゐぎ歩々あるきながらをどる。
そして明るいと小気味よい鼻は静観の美であり、かすかに開かれた紅唇くちから覗く、光さえ浮んだ皓歯こうしは、観客の心臓を他愛もなくえぐるのだ。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
「失礼も何もあるものか——いや美婦の紅唇くちびるにふれた猪口ちょくのふち——これにまさるうれしいものはござるまいて——」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)