粗忽そそう)” の例文
見て安五郎はアヽ若コレ御内儀粗忽そそうな事を申されな小松屋の遊女白妙しらたへを連て立退たちのきしは此安五郎にちがひなけれど然ながら其節我は鞠子まりこ柴屋寺しばやでらへ先に參りて白妙しろたへの來るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これに吃驚びっくりして、何の事とも知らないで、気の弱い方だから、もう、わびをして欲しそうに、夥間なかまの職人たちを、うろうろとみまわしながら、(な、なんぞ粗忽そそうでも。)お師匠筋へ手をつくと
ある日その「三太」が「青ペン」のおかみ一張羅いっちょうらの上へ粗忽そそうをしたのです。ところが「青ペン」のお上と言うのは元来猫が嫌いだったものですから、苦情を言うの言わないのではありません。
温泉だより (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「ははあ、あれは貴様のか、急いだ故につい粗忽そそうを致した、許せ」
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
久「これは旦那様のお煙管で、とんだ粗忽そそうをしました」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「その後で何か粗忽そそうをしなかったろうか」