神巫みこ)” の例文
神巫みこ殺し』から、三部作『東京』を経て『石合戦』『伴林光平』に至るまでの多彩な業績は、必ずや再び研究される時が来ると思う。
胡堂百話 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
神巫みこかと思う、色の白い、もみはかまのお嬢さんが、祭の露店に売っている……山葡萄やまぶどうの、黒いほどな紫の実を下すって——お帰んなさい、水で冷すのですよ。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかるに、隣家に神巫みこありて占いをよくし、また祈り祭りをなして、病気そのほか諸事に効験あり。
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)
たみ信なくんば立たず、と言い、恵心僧都は、大和の神巫みこに、慈悲と正直と、止むを得ずんばいずれを棄つべきと問いしに、万止むを得ずんば慈悲を捨てよ、おのれ一人慈悲ならずとも
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
それに対して、お誓の処女づくって、血の清澄明晰せいしょうめいせきな風情に、何となく上等の神巫みこ麗女たおやめの面影が立つ。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あるいは曰く、北野天満神の廟の牝鶏晨を報ずるなり。神巫みここれをちょうに告ぐというと見ゆ。この時女謁盛んで将軍家ばかりか大諸侯の家また女より大事起らんとしたからこんな評判も立ったのだ。
が、これは鎮守の神巫みこに似て、しかもなんば、という足どりで、少なからず威厳を損じた。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
が、此は鎮守ちんじゅ神巫みこに似て、しかもなんば、と言ふ足どりで、少なからず威厳を損じた。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
神巫みこの鈴から思いついて、古びた玩弄品屋の店で、ありあわせたこの雀を買ったのがはじまりで、笛吹はかつて、麻布辺の大資産家で、郷土民俗の趣味と、研究と、地鎮祭をかねて、飛騨ひだ、三河
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
右左に飛廻って、松明たいまつの火に、鬼も、人も、神巫みこも、禰宜ねぎも、美女も、裸も、虎の皮も、くれないはかまも、燃えたり、消えたり、その、ひゅうら、ひゅ、ひゅうら、ひゅ、諏訪の海、水底みなそこ照らす小玉石
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「だから神巫みこ見たようだというのよ。」
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
神巫みこのような娘ッだ。」
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)