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破障子
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やぶれしょうじ
ふりがな文庫
“
破障子
(
やぶれしょうじ
)” の例文
いま、きみは結構な町の畳からと言ったけれど、母親の寝ていた奥の四畳は
破障子
(
やぶれしょうじ
)
の穴だらけだ。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
わたくしは
小笹
(
おざさ
)
の茂った低い土手を廻って、漸く道を求め、古松の立っている鳥居の方へ出たが、その時冬の日は全く暮れきって、軒の傾いた
禰宜
(
ねぎ
)
の家の
破障子
(
やぶれしょうじ
)
に薄暗い
火影
(
ほかげ
)
がさし
元八まん
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
部落民にとっては、便所で紙を使うなんて何という
贅沢
(
ぜいたく
)
なことであろう。手紙を書くにも彼らは、
煤
(
すす
)
けた
破障子
(
やぶれしょうじ
)
の不用なのを用いるくらいであった。だが、紙の代りに一体何が用いられるのであろう。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
その
少
(
わか
)
い方は、
納戸
(
なんど
)
の
破障子
(
やぶれしょうじ
)
を
半開
(
はんびら
)
きにして、
姉
(
ねえ
)
さん
冠
(
かぶり
)
の横顔を見た時、
腕
(
かいな
)
白く
梭
(
おさ
)
を投げた。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
折々勝手口の
破障子
(
やぶれしょうじ
)
から座敷の中まで吹き込んで来る風が、薄暗い
釣
(
つるし
)
ランプの火をば吹き消しそうに
揺
(
ゆす
)
ると、その
度々
(
たびたび
)
、黒い
油煙
(
ゆえん
)
がホヤを曇らして、乱雑に置き直された家具の影が
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
と
寝惚声
(
ねぼけごえ
)
して、
破障子
(
やぶれしょうじ
)
を開けたのは、頭も、顔も、そのままの小一按摩の怨念であった。
怨霊借用
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
破
常用漢字
小5
部首:⽯
10画
障
常用漢字
小6
部首:⾩
14画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“破”で始まる語句
破
破綻
破片
破目
破風
破壊
破落戸
破廉恥
破屋
破鐘