“直垂衣”の読み方と例文
読み方割合
ひたたれ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もう橋の上には、うららかな初日影を浴びて、清水へ初詣はつまいりにゆく初春着はるぎの女たちや、廻礼にあるく素袍すおう直垂衣ひたたれの人影が、ちらほら通っていた。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一室のうちで、善信は法衣ころもを脱いだ。朽葉色の直垂衣ひたたれに着かえ、頭には、梨子打なしうち烏帽子えぼしかむる——。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ころげおちた将の放れ駒には“三本からかさ”の金貝かながいったくらがおかれてあり、この鞍といい、また花曇子はなどんすのよろい直垂衣ひたたれや、おびていた鬼丸の太刀も、名越尾張守高家のものにちがいなかった。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)