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癆咳
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ろうがい
ふりがな文庫
“
癆咳
(
ろうがい
)” の例文
凄艶な
癆咳
(
ろうがい
)
の女と刀の姿とが、その美を
研
(
と
)
ぎ合って争うように見られたが、弦之丞は刀をやや手元へよせて、軽く
打粉
(
うちこ
)
をたたいていた。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大蒜は肺の薬になるげじゃけれども、
私
(
わし
)
はこう見えても
癆咳
(
ろうがい
)
とは思わん、風邪のこじれじゃに因って、熱さえ
除
(
と
)
れれば、とやっぱり芭蕉じゃ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
現にこの一と月ばかりは、持病の
癆咳
(
ろうがい
)
が重くなって、三度の食事も床の上に運ばせております。
銭形平次捕物控:150 槍の折れ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ある大店の娘御が、
癆咳
(
ろうがい
)
を病って寮住居、年頃だから恋がほしい、そこでぜひとも『思ひそめしが』と、誰かに口説いて貰いたい、そこでその盆をほしがっているうち、病気が進んでなくなられた。
染吉の朱盆
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
熱病のような本能の情炎が、またそれをあおる
癆咳
(
ろうがい
)
という美しき病の
鬱血
(
うっけつ
)
が、たまたま自分という対象に燃えているだけなのではないか。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
可哀想に、あんなに綺麗で優しかった、お浜が——医者は
癆症
(
ろうしょう
)
だと申しますが、
咳
(
せき
)
一つしない癆症というものがあるでしょうか、癆症は
癆咳
(
ろうがい
)
と申しまして、咳のひどい病気だと聴いておりますのに。
銭形平次捕物控:168 詭計の豆
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ただ、幾分か、お米にとってよろこぶべきことは、あの
癆咳
(
ろうがい
)
の病のかげが、大阪にいた頃より大層よくなっていることだった。
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこに親類の娘というお町が、長い
癆咳
(
ろうがい
)
を患って寝ているのでした。
銭形平次捕物控:150 槍の折れ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それを、
己
(
おのれ
)
も知る
癆咳
(
ろうがい
)
といういまわしい病が邪魔をする時、お米は、その悪魔を飼っている自分の血と
呪
(
のろ
)
われた身を亡ぼしてやりたくなる。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
重い
癆咳
(
ろうがい
)
でとうとう去年の暮死んでしまったというのです。
銭形平次捕物控:117 雪の夜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
川長の
愛娘
(
まなむすめ
)
で、
縹緻
(
きりょう
)
のよさも
優
(
すぐ
)
れながら、お米に一ツの不幸がある。
癆咳
(
ろうがい
)
という
病
(
やまい
)
の
呪
(
のろ
)
い——いわゆる肺が悪かった。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
よしておくれよ、お嬢さんなんて、私はもう、
生娘
(
きむすめ
)
じゃない、男のために、さんざんになった女だよ。おまけに、
癆咳
(
ろうがい
)
もちで、長生きのできない、女なんだよ。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「拙者が、阿波へ連れて行こうというのは、恋ばかりではない。そなたの苦しむ
癆咳
(
ろうがい
)
にも、あの
潮
(
しお
)
の香や山の気が、どんな薬よりも
利
(
き
)
くであろう——、そう思うて
勧
(
すす
)
めるのじゃ」
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それよりは、
癆咳
(
ろうがい
)
を
癒
(
なお
)
さねばいかんぞ。今度会うまでに、もっと、
肥
(
ふと
)
っておれよ」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その母という人は、美人ではあったが、
癆咳
(
ろうがい
)
で、若死にをしたという話も……
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「てめえじゃございませんが、何でも、
癆咳
(
ろうがい
)
にはひどく
利
(
き
)
くという噂なんで、ごひいき先のお嬢様が、病気にかえられないから、すえてほしいというんですが……。たしかに、灸で、
癒
(
なお
)
りましょうか」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そう、
癆咳
(
ろうがい
)
だから……」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“癆咳”の意味
《名詞》
癆咳(ろうがい)
「労咳」の別表記。
(出典:Wiktionary)
癆
漢検1級
部首:⽧
17画
咳
漢検準1級
部首:⼝
9画
“癆咳”で始まる語句
癆咳病