疑心ぎしん)” の例文
その引戸が閉まると同時に、女房は何故か一抹いちまつ疑心ぎしんを感じて、念のため女湯の方を見廻りたいと思った。が、その時、男湯の方から主人の声が聴こえて来た。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
たゞにはかずねづみれにもみゝそばだてつ疑心ぎしん暗鬼あんきしやうずるおく其人そのひと現在げんざいすを
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
取出し相摸殿いざ拜見はいけんと差付れば御城代はじめ町奉行に至る迄各々おの/\再拜さいはいし一人々々に拜見はいけん相濟あひすこれまぎれもなき正眞しやうじんの御直筆ぢきひつと御短刀なれば一同におどろき入る是に於て疑心ぎしんはれ相摸守殿には伊賀亮にむかかくたしかなる御證據おんしようこの御座ある上は將軍の御落胤ごらくいんに相違なくわたらせ給へり此段早速さつそく江戸表へ申たつ御老中ごらうちう返事へんじ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)