オソロ)” の例文
毛孔のつやうなオソロしい声を、度々聞いた。ある時は、鳥の音であつた。其後、頻りなく断続したのは、山の獣の叫び声であつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
まことにオソロしいと言ふことを覚えぬ郎女にしては、初めてまざ/″\と、オサへられるやうなコハさを知つた。あゝあの歌が、胸に生きカヘつて来る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
併しやがて、ふり向いて、仄暗ホノグラくさし寄つて来てゐる姥の姿を見た時、言はうやうないオソロしさと、せつかれるやうな忙しさを、一つに感じたのである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)