生肝いきぎも)” の例文
わたし一層いつそ藥研やげん生肝いきぎもをおろされようとも、お醫師いしや母屋おもやはうまうかとおもひました。和尚をしやう可厭いやらしさに。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
で、曾一族のことごとくを殺し、また、生け捕った史文恭はこれを山寨にひきあげてからざんに処した。そして一同して首と生肝いきぎもとを亡きちょう総統の祭壇にそなえた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
聞けば注文するものもあって、夫狐は売り渡されたが最後、生肝いきぎもをとらるるよしなそうにございます。
(新字新仮名) / 岡本かの子(著)
一つの例を挙げるならばさる生肝いきぎも、もしくは海月くらげに骨のないわけなどと我々が呼んでいる昔話、是がまたニルヤの出来事として、少なくとも大島・喜界きかいの二島には行われ、それ以南の島々にも
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
旧藩の頃にな、あの組屋敷に、忠義がった侍が居てな、御主人の難病は、巳巳巳巳みみみみ、巳の年月の揃った若い女の生肝いきぎもで治ると言って、——よくある事さ。
絵本の春 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
とくに人間の生肝いきぎもは美味で精力薬になるという迷信があり、その生肝いきぎもをとるには、さんざん冷水をあびせて、肝臓の熱い血をちらしておき、そこをえぐりとるのがいいなどといわれていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すぐにれられてまゐつたんです。生肝いきぎも藥研やげんでおろされるはうがまだしもとおもひました、仙人せんにんれられて——何處どこくのかとぞんじますと、田圃道たんぼみちを、わたしまへたせて、仙人せんにんあとから。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それと呑みこんで、錦毛虎はすぐ、手下の者へ、生肝いきぎも料理の準備を命じた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)