“燐火”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
りんか40.0%
おにび35.0%
ひとだま10.0%
ふとだま5.0%
りんくわ5.0%
フオスフオラス5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これは燐火りんかにして物理的妖怪と申すものだが、学理を知らざるものは真に幽霊が地上より現れたごとくに思い、幽霊火と申している。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
何処いずくよりか来りけん、たちまち一団の燐火おにび眼前めのまえに現れて、高くあがり低く照らし、娑々ふわふわと宙を飛び行くさま、われを招くに等しければ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
横浜の新仏しんぼとけ燐火ひとだまにもならずに、飛んで来ている——成程、親たちの墓へ入ったんだから、不思議はありませんが、あの、青苔あおごけが蒸して、土の黒い、小さな先祖代々の石塔の影に
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのおおきな腹ずらえ、——がえりのものが見た目では、でか鮟鱇あんこうほどな燐火ふとだまが、ふわりふわりと鉄橋の上を渡ったいうだね、胸の火が、はい、腹へはいって燃えたんべいな。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
第三の幽霊 (これは燐火りんくわを飛ばせながら、愉快さうにただよつて来る。)今晩は。なんだかいやにふさいでゐるぢやないか? 幽霊が悄然せうぜんとしてゐるなんぞは、当節がらあんまりはやらないぜ。
LOS CAPRICHOS (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
なま眼色めいろ燐火フオスフオラスを吸ふ青びかり
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)