“熔炉”の読み方と例文
読み方割合
ようろ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
店は熔炉ようろ火口ひぐちを開いたように明るくて、馬鹿馬鹿しくだだっ広い北海道の七間道路が向側むこうがわまではっきりと照らされていた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
そこに堆積たいせきした土塊のようなものはよく見るとみな石炭であった。ため池の岸には子供が二三人りをたれていた。熔炉ようろの屋根には一羽のからすが首を傾けて何かしら考えていた。
写生紀行 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
すべてを抱擁しなければいけない。われわれの心の熱しきった熔炉ようろの中に、否定する力と肯定する力とを、敵と味方とを、人生のあらゆる金属を、嬉々ききとして投げ入れなければいけない。