“無性髯”の読み方と例文
読み方割合
ぶしょうひげ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
日の光が斜めに窓からさし込むので、それを真面まともに受けた大尉のあかじみた横顔にはらない無性髯ぶしょうひげが一本々々針のように光っている。
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
反古ほごを、金の如くのべて、古画を臨摹りんぼする。ほそぼそとともる深夜のかげに、無性髯ぶしょうひげの伸びた彼の顔は、芸術の鬼そのものである。
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
頤骨あごぼねとがり、頬がこけ、無性髯ぶしょうひげがざらざらとあらく黄味を帯び、その蒼黒あおぐろ面色かおいろの、鈎鼻かぎばなが尖って、ツンとたかく、小鼻ばかり光沢つやがあって蝋色ろういろに白い。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)