潜水夫もぐり)” の例文
潜水夫もぐりが嫌になったとは、何ちゅう情ない奴ちゃ。鶴富組の御主人も言うたはったが、今に日本がアメリカやイギリスとってみイ。
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
喬介は涼しい顔をして一号船渠ドックの方へ飛んでくと、間もなく、今入渠船にゅうきょせん据付すえつけ作業を終ったばかりの潜水夫もぐりを一人連れて来た。
カンカン虫殺人事件 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
寒天をたたえしごとき重々し海のうねりに潜水夫もぐりあらはる
小熊秀雄全集-01:短歌集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
「そう言えば、僕だって、他あやんのあの口癖は時どき想いだしましたよ。いや、げんに今だって……」からだ一つが資本の潜水夫もぐりが仕事で、二十三歳から此の道にはいり
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
潜水夫もぐりは私達の立っている近くの岸壁まで来て、暫く何か喬介から指図さしずを受けていたが、やがて二人の職工を呼び寄せると、気管ホースやポンプの仕度したくを手伝わせ、間もなく岸壁に梯子を下げて
カンカン虫殺人事件 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
築港ちくこうの真昼の砂にさかしまに潜水夫もぐりの服のほされたるかも
小熊秀雄全集-01:短歌集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
喬介は微笑ほほえみながら再び海上へ眼をった。五分程すると、梯子の下へ潜水夫もぐりが戻って来た。見ると、原田喜三郎と同じ様に、両腕を後手に縛りあげられた屍体を、背中に背負っている。
カンカン虫殺人事件 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
「次郎さん潜水夫もぐりやさかい、ひっくり返ったら……。」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
潜水夫もぐり
小熊秀雄全集-01:短歌集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)