だき)” の例文
旧字:
山牢のある瘤山こぶやますそは、のぞだき深潭しんたんから穴吹あなふきの渓谷へ落ちてゆく流れと、十数丁にあまるさくが、そこの地域を囲っている。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
橋は心覚えのある石橋いしばし巌組いわぐみである。気が着けば、あの、かくれだきの音は遠くだう/\と鳴つて、風の如くに響くが、かすれるほどの糸のも乱れず、唇をあわすばかりの唄もさえぎられず、嵐の下の虫の声。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)