“渓谷”のいろいろな読み方と例文
旧字:溪谷
読み方割合
けいこく68.0%
たに24.0%
たにあい4.0%
たにま4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小仏こぼとけ渓谷けいこくにおいて、日本左衛門とああいう訣別けつべつをした金吾が、そのごの一念をお粂の行方に傾倒していたのは想像に難くないことです。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山中には三水さんすいと唱える金性水きんせいすい竜毛水りゅうもうすい白毛水はくもうすいの清泉が湧き、五つの瀑布たきと八つの丘嶽おかとまた八つの渓谷たにとがあって、いずれも奇観だ。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
甲斐と信濃の国境、富士見高原のどん詰り、八ヶ岳の渓谷たにあいに、極楽浄土があるそうだ。僧院があるということだ。密夫密婦の隠れ場所、院主は尼僧だということだ。だが有髪うはつだということだ。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その愉快なることいわん方なく、膝栗毛の進みもますます速く、来た処は、音に名高き胸突き八丁の登り口。日ははや暮れかかり、渓谷たにまも森林も寂寞せきばくとして、真に深山の面影がある。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)