泣沈なきしづ)” の例文
身にまと何樣どのやうなる出世もなるはずを娘に別れ孫を失ひ寄邊よるべなぎさ捨小舟すてこぶねのかゝる島さへなきぞとわつばかりに泣沈なきしづめり寶澤は默然もくねんと此長物語を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
忍び今の身の敢果はかなきさまかこちつゝ如何いかなる因果と泣沈なきしづむにぞ文右衞門はかたちたゞしコレお政其方は何とて其樣に未練みれんなることを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
くゝりて死居しにゐるにぞお菊は驚き周章あわてすがり付涙とともに呼叫よびさけべど最早とくに事切て手足も氷のごとく蘇生よみがへるべきの樣もなければお菊の愁傷しうしやう一方ならずワツとばかりに泣沈なきしづむ聲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)