“法印”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほういん86.7%
ほふいん13.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その我慢のみえるお背を、渡りの彼方へ見送りながら、殿でん法印ほういんもふたたびそれに追いすがる気力を土気色な顔に失っていた。
まゆはむしろ険しかった。狭くて高い彼の額の上にある髪は、若い時分から左右に分けられたためしがなかった。法印ほういんか何ぞのように常にうしろで付けられていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この番頭と一緒に、菊屋で幅をきかしてゐるのは、法印ほふいんの無道軒で、あれは猫又と綽名あだなのあるしたゝか者、一と筋でいける男ではありません。
無住むぢうにもて置れず我思ふには年こそゆかねど寶澤は七歳の時より感應院が手元てもとにて修行しゆぎやうせし者なりことには外の子供とちが發明はつめいなる性質せいしつにて法印ほふいん眞似事まねごと最早もはや差支さしつかへなし我等始め村中が世話せわしてやらば相續さうぞくとして差支さしつかへなしすれば先住せんぢう感應院に於てもさぞかし草葉くさばかげより喜び申すべし此儀如何とのべければ名主なぬしどのゝ云るゝ事なり寶澤は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)