“殿上”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
てんじょう57.1%
でんじょう9.5%
テンジヤウ9.5%
とのうえ9.5%
てんじやう4.8%
でんじやう4.8%
テンジヨウ4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
塩冶の内室は殿上てんじょうに生い立って、上手の歌よみという噂がある。なまじいの文など書こうよりはと思案して、その古歌を書き申した。
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
殿上でんじょうの御腫物は良性でござって、梅瘡にも、労性ろうしょうにも、癌腫にもその方の悪性の筋をひいていないから、仮りに小児頭大しょうにずだいの極度に及ぶにしても
玉取物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
姫は、大門のシキミを越えながら、童女ワラハメ殿上テンジヤウの昔のカシコさを、追想して居たのである。長い甃道イシキミチを踏んで、中門に届く間にも、誰一人出あふ者がなかつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
それをするにはいかなる手段を取ったらばよいだろうかと、そのことをそれからそれと考えて、大月から駒橋、横尾、殿上とのうえと通って、ようやく猿橋の宿まで入ることができました。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
あはれ此程このほどまでは殿上てんじやうまじはりをだに嫌はれし人の子、家のやから、今は紫緋紋綾しひもんりよう禁色きんじきみだりにして、をさ/\傍若無人の振舞ふるまひあるを見ても、眉をひそむる人だに絶えてなく、夫れさへあるに衣袍いはう紋色もんしよく
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
今の 太上天皇様がまだ宮廷の御あるじで居させられた頃、八歳はつさいの南家の郎女いらつめは、童女わらはめとしてはつ殿上でんじやうをした。穆々ぼく/\たる宮の内の明りは、ほのかな香気を含んで流れて居た。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
今の 太上天皇樣が、まだ宮廷の御あるじで居させられた頃、八歳ハツサイの南家の郎女イラツメは、童女ワラハメとして、ハツ殿上テンジヨウをした。穆々ボクヽヽたる宮の内の明りは、ほのかな香氣を含んで、流れて居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)