死霊しりやう)” の例文
旧字:死靈
ゴオゴリの『死霊しりやう』を読むと、名義だけは生きてゐるが、実はとつくに亡くなつてゐる農奴を買収し、遠い地方へ持ち込んで、そこで銀行へ抵当かたに入れて借金をする話が出てゐるが
うらみをなさんと一念此身をはなれず今宵こよひかの家にゆかんと思へどあるじつねづね観音を信じ、門戸もんこ二月堂にぐわつだう牛王ごわうを押し置きけるゆゑ、死霊しりやうの近づくことかなはず(中略)牛王をとりのけたまはらば
案頭の書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
月は死霊しりやうのやうに通つて行く。
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)