此様かう)” の例文
旧字:此樣
弱くない者にはかへつて此様かういふ調子はあるものである。で、はか/″\しい抵抗も何等あへてしなかつたから、良兼の軍は思ふが儘に乱暴した。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
昨夜なぞは遅くまで洋燈ランプの下で其事を考へて、もし先輩と二人ぎりに成るやうな場合があつたなら、彼様あゝ言はうか、此様かう言はうかと、さま/″\の想像にふけつたのであつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
将門猶未なほいませんせずといへども、すでに叛したのである。純友の暴発もけだ此様かういふ調子なのであつたらう。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
夜中真黒まつくらな中に坐禅といふことをして居たのか、坐りながら眠つて居たのか、眠りながら坐つて居たのか、今夜だけ偶然に此様かういふ態であつたのか、始終斯様なのか、と怪み惑うた。
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)