横暴おうぼう)” の例文
嘘さえ言えぬ未完成な生命なのだ。教養の不足してる小さな粗暴漢そぼうかんだ。そして恥や遠慮を知る大人を無視した横暴おうぼうな存在主張者だ。
かの女の朝 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
このさわぎとともに、徳川家以外とくがわけいがいたまのものは、かれらの横暴おうぼうをひそかに不快ふかいに思っていたので、みな見て見ぬふりして山をおりてしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
常に強者の横暴おうぼうを極むる事を見て義憤する時、ひるがえつてこの頼りなき色彩の美を思ひそのうちに潜める哀訴の旋律メロディによりて、暗黒なる過去を再現せしむれば
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そのとおり、たとえば、横暴おうぼう殿とのさまがあっても、まわりのものは、にらまれるのをおそれて反対はんたいしない。
世の中のために (新字新仮名) / 小川未明(著)
とにかく人類は横暴おうぼうである。かれらの数は、せいぜい十五億人ぐらいだ。この地球の上では、人類は象と鯨につづいて、数のすくない生物だ。それでいて、かれら人類は、地球はおれたちのものだ、とばかりに横暴なことを
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)